fukuhomu古代ギリシャ彫刻からルネサンス絵画、そしてシスティーナ礼拝堂の天井画まで、歴代教皇が集めた芸術が迷宮のような空間に積み重なっています。
本記事では、ラオコーン像を起点とする美術館の成立から、ラファエロの間、そしてクライマックスのシスティーナ礼拝堂まで、実際の動線に沿って振り返ります。
バチカン美術館に行くぞ
予約必至の美術館
サン・ピエトロ大聖堂の次は、バチカン美術館へ向かいます。
バチカン美術館の看板はラテン語表記になっていました。ちなみに、イタリア語で博物館はmuseoですが、バチカン美術館はmuseiと複数形になっています。


これは、複数の美術館群によって構成されていることを示しています。
バチカン美術館の入場は非常に人気が高いため、必ず予約をしていくのが良いです。近くまで行くと、入場待ちの人がたくさん並んでいました。
入場チケットについては、スマートフォンのスクリーンショットでは入場を断られている人を見かけました。必ず紙に印刷して持参することをお勧めします。
きっかけはラオコーン
バチカン美術館は、1506年に発掘されたラオコーン像が、美術館の始まりのきっかけとなりました。


とはいえ、こちらに置かれているラオコーンはレプリカです。右側の男性の右腕が修復されています。本物は別の場所に展示されているため、後ほど見に行くことにします。
まずはピーニャの中庭から
最初に訪れたのは、「ピーニャの中庭(Cortile della Pigna)」です。


ピーニャとは松ぼっくりのことで、この写真に写っている巨大な松ぼっくりのブロンズ像が、その名前の由来になっています。
この松ぼっくりの像は、1〜2世紀に制作された古代ローマ時代の作品です。一時期はサン・ピエトロ大聖堂の噴水装飾として使われていたそうです。
それでは館内へ
この美術館、とにかく広いぞ!
バチカン美術館は、歴代教皇が時代ごとに増築を重ねてきた結果、迷路のような構造となっています。前述の通り、複数の美術館群によって構成されているため、エリアごとにまるで別の場所に足を踏み入れたかのような感覚を覚えます。
こちらは「キアラモンティ美術館(Museo Chiaramonti)」です。細長い回廊に沿って、古代彫刻を中心とした非常に多くの作品が展示されています。


夜に来たら動き出しそうで怖い…(笑)


次は「ピオ・クレメンティーノ美術館(Museo Pio-Clementino)」です。このエリアで最も有名なのは、「八角形の中庭(Cortile Ottagono)」と呼ばれる場所です。
ラオコーンの本物もこちらに展示されています。先ほどのレプリカと異なり、右側の男性の腕は折れたままになっています。


どの像も人気が高く、大混雑でしたが、やっとの思いで本物を拝むことができました。
個人的にもう一つ気になったのが、「メデューサの頭を持つペルセウス(Perseo con la testa di Medusa)」です。


メデューサは、目が合った人を石に変えてしまう怪物ですが、それを倒したのがペルセウスです。この彫刻ですが、股間をイチジクの葉で隠していますよね。
しかしインターネットで検索すると、イチジクの葉で隠れていないバージョンのほうが多く出てきます。この彫刻は本物なのかと少し気になりました(笑)
こちらの部屋は、「円形の間(Sala Rotonda)」です。


写真にはあまり写っていませんが、中央にはローマ時代の大きな水盤が鎮座しています。現在は水は入っていません。
まだまだ美術館巡りは続きます。こちらは「地図のギャラリー(Galleria delle Carte Geografiche)」と呼ばれるエリアです。


豪華な装飾に覆われた天井がまず目を引きます。ここには40枚もの巨大な地図が飾られています。
こちらは16世紀に描かれたイタリア半島の地図です。


そしてこちらがヴェネツィアです。


島と川の形がほとんど変わっていないことがよくわかります。
大迫力の壁画たち
ここからは大迫力の壁画が続きます。こちらは「無原罪の御宿りの間」です。


「無原罪の御宿り」とは、カトリックの教義の1つです。人間は誰しも、生まれた時から罪を持っているというのが基本的な考え方で、その罪を「原罪」といいます。
しかし、イエスの母マリアは、その母アンナの胎内に宿った時から原罪を免れていた、というのがこの教義です。
その教義を教皇が正式に宣言した様子を描いたのが、この壁画です。


1859–1861年 フランチェスコ・ポデスティ
バチカン美術館のハイライトの1つが、続くこちらの部屋「ラファエロの間(Stanze di Raffaello)」です。このエリアには4つの部屋があり、それぞれがフレスコ画で飾られています。
最初に入るのが「コンスタンティヌスの間(Sala di Costantino)」です。


四方を巨大な壁画に囲まれていて、カメラのフレームに収めることができませんでした(笑) ものすごい迫力です。


そして最も楽しみにしていたのが「セグナトゥーラの間(Stanza della Segnatura)」です。日本語では「署名の間」と呼ばれることもあります。
この部屋は4部屋の中で1番最初に制作された部屋です。ここには、有名な作品「アテネの学堂」があります。


1509–1511年頃 ラファエロ
この絵の1番の主題は、中央に立つ2人の学者です。これはプラトンとアリストテレスです。
この2人以外にも細かくさまざまな人物が描かれており、手前で肘をついて何か考え事をしている男性は、ミケランジェロだと言われています。
クライマックスはシスティーナ礼拝堂
システィーナ礼拝堂
バチカン美術館巡りも後半です。現代美術が展示されているエリアなどを経て、いよいよ最も人気のある「システィーナ礼拝堂(Cappella Sistina)」へ足を踏み入れます。


システィーナ礼拝堂は、美術館として作られたわけではなく、コンクラーヴェ(教皇選挙)が行われる礼拝堂であり、現在でもその用途で使用されています。
内部は一切撮影ができないため、外から写真を撮ることしかできません。


実際に入ってみた礼拝堂は、これまでに見たことのない空間で、大変感銘を受けました。
この礼拝堂のレプリカが徳島にあるのですが、その時はたまたま休館していて見られなかったため、徳島へも再訪しなければと感じました。
こちらの長い廊下は、「燭台のギャラリー(Galleria dei Candelabri)」です。


迷路のような構造になっているため、今自分がどのあたりにいるのか、全く見当がつきません(笑)
最後に民博みたいなところがある
美術館の最後は、「民族学博物館アニマ・ムンディ(Museo Etnologico Anima Mundi)」です。


突然、大阪の民博のような雰囲気になるので驚きます。日本の甲冑も展示されていました。


巨大なスパイラル階段
美術館の出口は、巨大なスパイラル階段になっていて、実に壮観です。


二重螺旋構造になっているため、上りと下りで別々にスロープが設けられています。


これにてバチカン美術館訪問は完了です。1日ではとても見切れない量があるので、何度も来ないとダメそうです(笑)



つづく…

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