



東京から飛行機で行くぞ!
伊丹空港にもミャクミャク
万博訪問の2回目は、空から大阪へ向かいます。伊丹空港に行くのは初めてだった気がしてきました。想像以上に市街地スレスレを飛ぶので驚きました。


空港に着くと、すでに万博ムード。関西の広告にはミャクミャクが前面に登場しています。


これからしばらくの間、万博が終わってもミャクミャクは大阪のキャラクターとして愛されていく気がします。熊本のくまモンのように。
バゲッジクレームにもミャクミャクがいました。


当初はちょっと不気味に見られていたミャクミャクの人気が反転した理由の1つには、単に“見慣れたから”という以上に、立体化されたときのあの丸みを帯びたボディの効果があると私は分析しています。どうでしょうか。
空港から南海なんば駅前にバスで直行
空港からはバスでホテルへと向かいました。ホテルは南海なんば駅から徒歩圏内の場所にあります。バスは、バスターミナルとは思えない歩道で降ろされました(笑)
南海なんば駅の駅前は、2023年11月に道路が廃されて広い公園になっています。置かれたテーブルや椅子でみんなが思い思いの時間を過ごしている様子は、どこかヨーロッパの街のようで素敵です。
大阪は、このような公共空間を作る都市づくりが本当に素晴らしいですね。(人がたくさんいたので写真は無しです)
南海なんば駅もとても素敵です。昭和4年の姿がそのまま残っています。


少し歩いたところで、和風の建物に四角いビルがドッキングしたような不思議な建物がちらっと見えました。これはかつての大阪新歌舞伎座の跡地に建てられたビルです。


ただし、大阪新歌舞伎座自体はすでに上本町に移転しており、ここにあるのは新歌舞伎座の意匠を再現した建物になります。旧大阪新歌舞伎座は村野藤吾の作品でしたが、現在のビルは隈研吾による設計です。
このビルには「ホテルロイヤルクラシック大阪」が入っています。
ホテルのラウンジでひと休み
万博会場へは大きな荷物を持ち込むことはできませんので、ホテルに荷物を預けます。本日宿泊するホテルは、ハイアットグループの「キャプション by Hyatt なんば大阪」です。
ホテルの1階は、レストラン兼コーヒーショップ兼バー兼コワーキング・スペースである「トークショップ」という空間になっています。早朝からの移動で疲れたので、ここで一休みしました。





東ゲートから入場!
日本橋から堺筋本町を経て夢洲へ
万博3日目の来場も、東ゲート(大阪メトロ夢洲駅)から入場します。


本町で乗り換えたら混むかと心配し、本町より手前の駅である堺筋本町乗り換えにしたのですが、空席がたくさんあるくらい空いていました。増発のおかげですね。
前回入ることすらできなかったお土産屋さんに入る
今回の万博は、前回は時間がなく大行列で入ることすらできなかったお土産屋さん(=オフィシャルストア)からスタートします。
オフィシャルストアは、それぞれ別々の会社が運営する方式で、東ゲートには書店の丸善と、大丸松坂屋のお店があります。西ゲートにはJR西日本と近鉄のお店があります。
入ったのは大丸松坂屋です。オフィシャルショップの中では、最も豪華で凝った内装なのがこの大丸松坂屋のお店です。謎の隈取りをした力士像がお出迎えです。(笑)


大丸松坂屋のオフィシャルショップのすぐ近くにある、ワイヤーがぐるぐる巻かれたような建物は、パナソニックのパビリオンです。設計は永山祐子氏。


青空にピンクが映えて綺麗です。パビリオン自体は、ターゲットが子ども向けに見えたので未体験です(今のところ予定も無し)。
さて、オフィシャルショップでお目当てのもの(ミャクミャクの絵が付いた缶のモロゾフのゴーフレットw)を無事に買うことができたので、いざリングの中へ。








早速本日のパビリオン巡りへ
空飛ぶクルマを見て巨大ホットドッグ
この日はいろいろと運良く事前の予約ができていたので、基本的にはそれを消化する感じで巡ります。
すぐに入れた空飛ぶクルマのパビリオンを見てから歩いていると、巨大なホットドッグのワゴンを見つけたので、青空の下でそれとビールを一緒にいただきました。


(確か)1つ1,980円だったのですが、サイズは通常のホットドッグの3倍はあるので、そう考えると万博のご飯の中ではかなり安い部類に入ると思いますw ホットドッグのすぐ目の前にビールも売っているので、青空ビールです。いきなり気分最高です。
日本のパビリオンを中心に…
本日最初のパビリオン体験は、シグネチャーパビリオンの1つである「Dialogue Theater ‐ いのちのあかし – 」です。パビリオンの建物は、奈良と京都の廃校を再利用して作られています。


「Dialogue Theater ‐ いのちのあかし – 」終了後、次のパビリオンまでの予約時間的に他のパビリオンに入れるほどの余裕はなかったので、うろうろと会場を散歩することに。
null²は、青天時に見ると青空と一体化しているようで美しい。流れてくる音は不気味だけど…(笑)


大屋根リングを歩いて東ゲート側にぐるっと回って戻るとします。噴水を通り過ぎます。海に突き出ているような感じで、とても気持ちが良いです。


遠くに見える超高層ビルは、大阪府咲洲庁舎(さきしまコスモタワー)、その足元に見える球体の建物は旧なにわの海の時空館です。


この建物は、今年の4月から「THE JEWELRY」というカフェ兼イベントスペースのような施設にリニューアルされ、営業を開始したそうです。万博期間中は、手荷物預かりも受け付けているようです。
リングの上をそのまま歩き進みましょう。ぽっかりと丸い穴が空いている白い建物は迎賓館です。基本設計は日建設計ですが、デザイン監修には藤本壮介氏の名前もあります。


写真を見たのですが、とても美しい建物でした。一般の来場者は入ることができないので、ぜひ会期終了後に見学できるようにしてほしいですね。1970年大阪万博の迎賓館は、今でも現存していますし。
続いて見えてくるのは、EXPOホール「シャインハット」です。建築家・伊東豊雄氏による設計です。下から見ると、屋根の内側の金色が印象的なのですが、上から見ると控えめです。


金色の円はパラボラアンテナをイメージしているそうですが、意識的に太陽の塔の「顔」も要素として取り込まれているようです。そして建物の形としては、太陽の塔の胴体のようにも見えますよね……。


東ゲート付近のエリアに戻ってきて、2回目の体験となるNTT Pavilionへ入場します。


余談ですが、この辺りはなぜかトイレが少なく、関西パビリオンの隣か、オフィシャルショップの奥にまで行かなければならないので、お気をつけください。
大阪ヘルスケアパビリオンは食べ物も買える!
NTT Pavilion体験終了後は、隣の大阪ヘルスケアパビリオンへ。「リボーン体験」という25年後の自分が知れるコースは要予約なのですが、それ以外の見学コースは待ちなしで体験することができました。


パビリオンの前にある球体のオブジェは、ただの飾りではありません!


「いのちの湧水」(「湧水」と書いて「いずみ」と読みます)という名前の展示で、水耕栽培と魚の陸上養殖が一体化し、循環する生産システムとなっています。


最上段に植えられているエディブルフラワーは、淡水のニジマスやコイと水を循環させています。(実際に球体の下には水槽があります。写真撮り忘れた…)
そしてこのパビリオン、実は飲食コーナーがとても充実しているんです!! 飲食コーナーだけ入ることも可能です。ショッピングセンターのフードコートのような空間に、9店舗ほどが出店されています。


そして耳寄り情報。なぜかビールが安い!(笑) 万博会場内のビールは900円くらいが相場ですが、ここでは500円で買えます。


「2億円トイレ」とバズったトイレは、調子が悪いようで(別ニュースによると、異物がたくさん流されたため利用を一部制限しているらしい)一部が封鎖されていました。ちなみに、実際の建設費は1億5千万円だそうです。


積み木のような可愛い見た目にまず目を奪われますが、このトイレはとにかく広い! メタボリズムの思想をベースにアップデートされており、会期終了後はバラバラに分解され、今より小規模なトイレとして移築される計画のようです。
メタボリズムは、イメージとしては「成長」や「拡張」を伴うもので、必要に応じて大きくしていくような印象があります。それに対してこのトイレは、バラバラになるという逆の発想をしているのが面白いですね。
現代の万博への提案としても、非常に興味深いと感じました。
大人気! イタリアパビリオン
15世紀の「理想の都市」という絵画よりインスパイアされた建物
この日の万博は、大物が続きます。続いては、大人気のイタリアパビリオンです。展示物に注目が集まりがちですが、こちらの建物も非常に特徴的です。15世紀の絵画「理想の都市」(作者不明)からインスピレーションを得た木造建築で、設計はマリオ・クチネッラ氏によるものです。


建物の中に入ると、木造であることがよくわかります。そして開放的ですが、夏は暑くならないのか心配です…。








【画像あり】パビリオンの感想
空飛ぶクルマ ステーション
空飛ぶクルマ ステーションは、その名の通り空飛ぶクルマが展示されているパビリオンです。パビリオン出展を撤退した国の跡地を活用しているため、大屋根リングの中に位置しています。


空飛ぶクルマは複数の企業が出展していますが、こちらに展示されている機体は、愛知県豊田市に拠点を置く株式会社SkyDriveのものです。


機体に乗車しての写真撮影やイマーシブシアターを体験するには予約が必要ですが、見学だけであれば誰でも入場可能です。
Dialogue Theater – いのちのあかし –
実際の廃校を移設した異色のパビリオン「Dialogue Theater ‐ いのちのあかし ‐」は、来場者1名と別の場所にいる全く知らない人と接続し、対話を試みるのを見学するというパビリオンです。


会話のネタは、入場時にカードとして配布されました。


対話を行う来場者は、1回の開催につき1名のみ。候補となる方には、配布されたカードに銀杏のマークがランダムで付いています。数名の候補者は別の場所に移動し、議論のうえで最終的な代表者を決定します。
代表者を決めている間は、廃校を活用したパビリオンについて説明を受けたり、自由に中を見学したりすることができます。


上の階では、杉で作られたスピーカーから奈良で録音された音が流れており、時々人の声も聞こえてくるらしい!


準備が整うと、次の部屋へ移動します。こちらは撮影禁止エリアです。先ほど選ばれた代表者が、スポットライトを浴びながら後ろから登場し、ゆっくりと階段を降りてステージへ向かう姿には鳥肌が立ちました。
対話は、当初のカードの内容からどんどんずれていったような気もしましたが、これも「生の対話」だからこそ。「自分だったらこう答えるかな」と、いろいろな感情を呼び起こされながら、突然対話は終了します。
エンディングビデオでは、ちょっと泣きました。
NTT Pavilion
NTT Pavilionはおかわりです。1部屋目でコミュニケーションの歴史を追い、2部屋目でPerfumeのパフォーマンスを空間伝送で体験し、3部屋目で自分の分身に驚かされるという、3つの部屋で構成されています。


良いパビリオンなので、もっと定員と回数を増やしてやるべきだと思うのだけど…無理なのかなあ……。Perfumeも最前で見ないと臨場感が伝わってこないような気がして、非常に残念。
正直、コンテンツを「1部屋目と2部屋目のコース」と「3部屋目のみのコース」の2つに分割して、1部屋目と2部屋目のコースの回数を増やしまくったほうが良いと思う……。それで、1部屋目を待合室に使うとか、どうでしょう。動線的に無理かなあ……。
大阪ヘルスケアパビリオン
大阪ヘルスケアパビリオンは、大阪府と大阪市が出展するパビリオンです。
iPS心筋シートが実際に動くところを見学することができます。心臓に貼り付けて使うものだそうで、その動きにはびっくりしました。


こちらの巨大なポットのようなものは「人間洗濯機」です。ミラブルで有名な株式会社サイエンスが出展しており、きめ細やかな泡で身体を洗えるとのこと。案外気持ちよさそう!?(笑)


イタリアパビリオン
海外パビリオンの中で、1、2を争う人気のパビリオンがイタリアパビリオンです。建物に入って最初に見学するのは、イタリア全州から来日した職人たちが、実際に目の前で作業を行う様子を見られるスペースです。


このスペースには隈研吾によるシャンデリアが飾られていたらしいのですが……気付かんて!
その後は映像を見て、展示スペースへ。映像から展示スペースへの繋ぎがすごかった! 展示スペースにはさまざまな作品がありますが、やはり一際人気なのがクラシックの美術作品たちです。
ティントレットによる「伊東マンショの肖像」は、2014年に発見されたという作品。私にはこれが日本人には全く見えないのだけれど、イタリア人からすると「東洋的な顔付き」らしいので、なんだか不思議な気分になります。


会場のほぼ中央で存在感を放っているのが、「ファルネーゼのアトラス」。作者は不明で、ナポリ国立考古学博物館の所蔵品です。これが作られたのが西暦150年頃ということなので、驚き…。


次の部屋にあるのが、カラヴァッジョによる「キリストの埋葬」です。ヴァチカン美術館に所蔵されているバロック期の作品で、キリストが十字架の磔の刑から降ろされるシーンが描かれています。
この絵のキリストはなかなか筋肉質で、良い身体をしています。もっとげっそりとした悲惨な姿で描かれることが多いイメージだったので、少し意外でした。


絵から飛び出してきそうな立体的な表現もすごいですね。
天井に吊られている飛行機は、1920年にローマから東京へ初飛行した航空機を再現したものだそうです。そして向きは東京ではなく、ローマの方角を向いているとのことです。


他にも多くの作品がありますが、すべてを紹介しきれないので、ぜひ事前にイタリアパビリオンの公式ウェブサイトに目を通してから訪れることをおすすめします。
展示スペースの最後には、レオナルド・ダ・ヴィンチの「アトランティコ手稿」から2枚が展示されています。途中で展示内容は入れ替わるそうですが、今回見ることができたのは「手回し糸車」と「金箔職人の道具」が描かれたページでした。
手で回すためのハンドルのようなものが見えるので、おそらくこちらが「手回し糸車」だと思います…(違っていたらごめんなさい)。


そして「金箔職人の道具」って何!?という感じですが、金箔職人が金を打って金箔として薄く伸ばすために使う道具のようです。


ハンマーが描かれているのも確認できました。金箔を作るのがいかに重労働だったかは、想像に難くないですね…。
このあと、屋上に登って庭園を見学すると、イタリアパビリオンの見学は終了です。庭園を眺められるスペースには、イータリーがレストランを出店していました。イータリーのレストランも、とても人気があるようでした。
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