【熊本】熊本県立装飾古墳館を訪問|安藤忠雄建築と装飾古墳の魅力を体感

この記事は…

実体験であることを保証します!

連載「残暑の熊本旅」の記事です。(2/2)

約 5 分で読めます。( 2685 文字)

はじめに

fukuhomu
熊本県山鹿市にある「熊本県立装飾古墳館」を訪問しました。装飾古墳の原寸大レプリカ展示が見どころの博物館ですが、実は建物そのものも大きな魅力の一つ。設計を手がけたのは安藤忠雄です。
 
見学当初は「この動線、本当に安藤忠雄らしいのだろうか?」と疑問に感じていたのですが、館内スタッフの方との会話によって、その理由が明らかになりました。本来意図されていた見学ルートをたどることで見えてきた、建築と展示が一体となった体験をご紹介します。
目次

熊本県立装飾古墳館へ

謎の建物がはじまり

熊本県内の観光先として向かったのが、こちらの「熊本県立装飾古墳館」です。

熊本県内には「くまもとアートポリス」というプロジェクトがあり、数々の有名建築家による建物がありますが、こちらの装飾古墳館もその一つで、安藤忠雄による設計です。

施設に近づくと見えてきたのが、こちらの不思議な建物です。

熊本県立装飾古墳館の謎の建物

山の中で突然現れたので、この時は一体何が何だかさっぱり分かりませんでした。

上の駐車場から館内へ

看板に沿って坂を登っていくと、駐車場に車を停めます。安藤忠雄らしい打ち放しコンクリートの壁に「入口」という張り紙がしてあったのは、少し笑ってしまいました。

熊本県立装飾古墳館の入口

その入口の先には、こちらも安藤忠雄らしい大きなスロープと吹き抜けが広がっています。

熊本県立装飾古墳館の中央の吹き抜けとスロープ

装飾古墳を知る

必見!「生きていた石人」

早速、館内に入っていきます。館内に入ると早速ビデオ上映の案内があり、急いで向かった先で見たのがこちらの作品「生きていた石人」です。

生きていた石人の紹介パネル

博物館によくある真面目な解説動画かと思いきや、平成の空気感をそのまま残したギャグコメディ要素あふれる作品になっていて、非常に面白かったです。

生きていた石人のワンシーン

見られる機会があれば、またぜひ見たいと思える作品でした。傑作ですw

原寸再現の装飾古墳

こちらの施設の展示のメインは、「装飾古墳」と呼ばれる特徴的な装飾が施された古墳の原寸大レプリカです。

古墳のレプリカ展示

装飾の文様は現代的にも見え、興味深かったです。数千年経っても、人の心に響くデザインの根底は変わらないのかもしれません。

古墳のレプリカ展示

古墳の原寸大レプリカは、実際に目の前にするとかなり面白かったです。

古墳のレプリカ展示

ほとんどお客さんがいなかったので、もったいないなと思ってしまいました。

装飾古墳のデザインから影響を受けたタペストリー

安藤忠雄の世界を楽しむ

吹き抜けから椅子・テーブルまで

施設は1990年代前半の建物らしく、かなり贅沢な造りになっています。このスペースには、もともとカフェなどが営業していたようですが、現在は使われていません。

装飾古墳館のテーブルと椅子

椅子とテーブルは、おそらく安藤忠雄のデザインによるものだと思います。

スロープに囲まれた中央の吹き抜けには自由に出られるようになっていますが、現在は展示物が無造作に置かれていました。

装飾古墳館の中央の広場から見上げたところ

安藤忠雄の建築に特徴的な壁の意匠も見られますが、そこには展示物が置かれています。もしかすると、何人もの子どもたちが中に入って遊んでしまったことへの対策ではないでしょうか(笑)

安藤忠雄らしい空間に壺

かくれんぼができそうな空間です。

スロープを上って上階へ行くと、そこが出口になっています。

館内のスロープ

人が少ないので写真は撮りやすいのですが、ここまで人がいないと、かえって心配になってしまいます。

館内のスロープ
スロープを外から見たところ

この建物、何かがおかしいぞ

一通り展示と建物を見たものの、「この建物は安藤忠雄らしくないのでは?」という疑問が頭から離れませんでした。最初の入口といい、その入口から入ってもスロープが見学ルートに組み込まれていないことといい、どうしても建物の動線に納得がいかなかったのです。

入口付近でそんな話をしていると、館内のスタッフさんが「建築目当てのご来場ですか」と声をかけてくれました。

館内にあった安藤忠雄による解説

そこで色々と話を聞いた結果、本来の駐車場は坂の下にあり、私たちが停めた坂の上の駐車場(建物のすぐ隣)は後から整備されたものだと教えていただきました。

これで納得がいきました。

もともと意図されていた建築と施設の体験ルートは、坂の下から徐々に自然を感じながら建物へと登っていき、屋上を経由してスロープをゆっくり下りながら展示のある地下へ向かうというものだったのです。つまり、古墳を思わせる地下の展示エリアへと来館者を導く構成になっていたのでした。

「安藤忠雄ならきっとこうするだろう」という感覚が、自分の中に少しずつ身についてきたのは、ちょっと嬉しかったです(笑)

ということで、安藤忠雄の当初の設計を体験してみよう!

ということで、気を取り直して、安藤忠雄が当初思い描いたであろう、この古墳の眠る地を巡るルートを体験してみましょう。

坂の下の駐車場にあったこちらの建物は、特に明記はありませんでしたが、おそらく安藤忠雄による設計なのだと思います。物語はここから始まっています。

熊本県立装飾古墳館の謎の建物ではなく、トイレ

建物の中はトイレになっています。駐車場に設置するトイレにも、ここまでお金をかけるのはさすが平成初期です。

中央の天井は空洞になっており、空を見上げることができます。これもまた、安藤忠雄らしい手法ですね。

熊本県立装飾古墳館の駐車場のトイレの中

装飾古墳館へのルートは整備された山道になっています。途中には吊り橋もあり、ちょっとした冒険気分を味わえます。

駐車場からこ道のりにある吊り橋

そして丘の上に見えてくるのが、装飾古墳館です。

丘の下から見える建物

土偶のオブジェがこちらを見下ろしながら、私たちを呼んでいるようでした。

オブジェ的に置かれている土偶?

もともとの入口は、おそらくこちらだったはずです。現在は駐車スペースになっている右側の壁の向こうには、当初ウォーターカーテンが設置されていました。

本来のアプローチに駐車された車

吊り橋を渡り、丘を登ってきた先で水の流れる音が聞こえてくることを想像すると、とてもドラマティックな展開だったことが分かります。

ウォーターカーテンが設置されていたのは、この壁です(Googleストリートビューで確認できました)。

数年前の大規模修繕の際に、このウォーターカーテンは廃止されてしまったとのことでした。

ウォーターカーテンの跡

入口の正面にウォーターカーテンを見せるのではなく、角を曲がった瞬間に初めて姿を現すというのも、いかにも安藤忠雄らしい演出だと思います。

そして、ウォーターカーテンと向かい合う場所には大階段があります(写真を撮り忘れました)。階段を上ると、古墳の跡が残る丘を見下ろすことができます。

上から古墳を見下ろす

そこで雄大な人類の歴史に思いを馳せ、その後、円形のスロープをゆっくり下りていくと、地下には古墳の原寸大レプリカが待っています。

古墳装飾館全景

円形のスロープは古墳をモチーフにしており、現代の古墳と本物の古墳を対峙させるという意図も込められているそうです。

バリアフリーの観点などから、すべての来館者にこの坂道を上るルートを求めるのは難しく、現在のように上側に駐車場が整備されたのだと思います。それでも、本来のルートを体験できて本当によかったです。

良い場所ですね! 楽しかったです!

熊本ラーメンを食べる

麺屋仁大(NIOH)へ

装飾古墳館を見学した後は、お昼ご飯の時間です。せっかくなので熊本ラーメンを食べようと思い、こちらの「麺屋仁大(NIOH)」にやってきました。

麺屋仁大(NIOH)

ラーメンはとても美味しく、大満足でした。

麺屋仁大(NIOH)のラーメン

そして何より驚いたのが、店内のBGMがYONA YONA WEEKENDERSだったことです。まさか熊本で聴けるとは思っていなかったので、最高でした!

fukuhomu
熊本で安藤忠雄の世界を満喫し、大満足の旅行でした!

この記事は連載です!

最後まで読んでくれてありがとう✨
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