fukuhomu数百年人々を見守る時計塔
時計の裏から
目指すのはヴェネツィアの中心、サン・マルコ広場です。細い路地を歩いていると、突然、目の覚めるように美しい青色をした時計が現れます。


実は、この時計は裏側にあたる部分です。そして、この時計の下のアーチをくぐり抜けると、そこがサン・マルコ広場です。
表側はサン・マルコ広場に面する
サン・マルコ広場はとにかく人がたくさんいます。観光客を狙ったスリも多いようなので、どうぞお気をつけください。


先ほど見た時計の表側は、このような姿をしています。塔の最上部には鐘をつくブロンズ像、その下にはヴェネツィアの象徴である有翼のライオン、さらにその下には時刻を示す窓と聖母マリアと幼子イエスの像、そして文字盤が続きます。
さまざまな装飾が重なり合った、とても見応えのある時計塔です。なお、1797年にヴェネツィアがフランスに占領されるまでは、現在の聖母子像ではなく、ヴェネツィア共和国の国家元首であるドージェの像が置かれていたそうです。
時計が完成したのは1499年で、現在もメンテナンスされながら動き続けています。数百年にわたり受け継がれ、この場所で人々を見守ってきたと思うと、本当にすごいことですよね。


文字盤は私たちが普段使っている時計とは異なり、とても特徴的です。まず、1周が24時間表記になっています。写真を撮ったのは午前11時だったため、太陽はXIを指しています。


その内側には星座が示されていて、7月だったので牡牛座の位置にありました。これは現代の星座の区切りとは少しズレがあるようです。



そして、そのさらに内側には月の位置と満ち欠けを表す仕組みがあります。月は球体になっており、一部が黒く塗られているため、それが回転することで満ち欠けがわかるようになっています。



ヴェネツィアの中心、サン・マルコ広場
聖マルコの伝承
時計が見下ろす広場、ここが「サン・マルコ広場(Piazza San Marco)」です。


名前の由来となっているサン・マルコとは、新約聖書の4福音書のうち『マルコによる福音書』を記した聖マルコのことです。彼の象徴が「有翼のライオン」であり、これはヴェネツィアの紋章としても用いられています。
828年、ヴェネツィアの商人たちがアレクサンドリア(エジプトの都市)から聖マルコの遺骸を密かに持ち帰り、伝承によれば、その遺骸を運ぶ馬車がこの場所で止まったことから、ここに聖堂が建てられたといわれています。


これが現在のサン・マルコ寺院の起源であり、やがてこの聖堂を中心にサン・マルコ広場が形成されました。
ドゥカーレ宮殿と鐘楼
このピンク色の建物がドゥカーレ宮殿です(カメラの設定がおかしくて白っぽいけれど)。


そして海側には鐘楼がそびえ立っています。まさに「ヴェネツィアといえばこれ!」という景色のオンパレードです。


ここはかつてヴェネツィアの政治の中心地であり、現在では観光の中心としてにぎわう場所です。
「サン・マルコ寺院」「ドゥカーレ宮殿」のどちらも事前予約が必須ですので、訪れる際はどうぞお気をつけください!




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