fukuhomuツアーから美術館に戻り、先ほど時間が無くて見られなかった作品を鑑賞します。
ウフィツィ美術館の鑑賞再開
借りててよかった音声ガイド
ヴァザーリの回廊のツアーを申し込んでいたため、ウフィツィ美術館の作品を十分に見られないまま、大きな心残りを抱えつつ途中で退出することになりました。ところが、ヴァザーリの回廊は美術館の展示途中に入口がある構造のため、本来は美術館の出口で返却するはずの音声ガイドを、そのまま持った状態で美術館の外へ出てしまいました。
というわけで、音声ガイドを返却するためにウフィツィ美術館へ再入場することに。音声ガイドを借りていたおかげで、無事に鑑賞を再開することができました。本当に借りておいて良かったです。



再び名作を巡る
というわけで、ここから絵画巡りを再開します。こちらは「ウルビーノのヴィーナス」。手掛けたのは、ヴェネツィア絵画3大巨匠の一角であるティツィアーノです。


ティツィアーノ 1538年頃
とはいえ、ヴェネツィアで見た彼の絵画とは、随分と印象が異なります。そもそも、服を着ていない美女が何の恥じらいもなくこちらを見つめているのは、いったいどういうシーンなんだ……という印象を受ける作品です。
横たわるヴィーナスの足元で眠っている犬は、貞節や忠誠の象徴。そして奥にいる2人の女性は女中で、結婚の支度をしている場面が描かれています。つまりこの絵は、結婚を控えた女性の姿を、愛と結婚の女神ヴィーナスに重ね合わせて表現した作品なのです。
次は「夢」です。


アレッサンドロ・アローリ 1570-1575年
この絵が目に止まったのは、青い空を背景に、虹色の羽を持った天使が裸の青年に向かってラッパを吹いている様子が、なんだかクィアっぽく見えたから(笑)
居心地の悪い頭の中のモヤモヤをそのまま形にしたような、そんな絵に見えました。
こちらは展示室の中で、パッと目が合ったまるまる肥えた赤子。


アーニョロ・ブロンズィーノ 1545年
ルネサンス時代の絵画でありながら、現代の「まさに外道!」というネットミームを思い起こさせる表情に見えましたが、彼はメディチ家の出身で、将来的にフィレンツェを枢機卿として牛耳ることになるジョバンニ・デ・メディチです。
赤子にしてはずいぶんいかつい服を身に着けていますし、手にしているのもおもちゃではなく、なんと鳥。この鳥はヒワで、キリスト教においては受難を象徴する存在とされています。他の絵画では、幼子イエスがこの鳥に手を伸ばす様子を描いたものもあります。
幼いながらに血統によって将来が決められていた赤子という存在を描いた、可愛いだけではない肖像画です。
絵の鑑賞途中に、ヴェッキオ橋を見渡せる窓がありました。


外の景色を眺めながら、ここで少し休憩です。
衝撃的な絵が続くラストスパート
夢に出てきそうな「首」シリーズ
いよいよウフィツィ美術館も(相当端折っていますが)ラストスパートです。これらを見ずに帰っていたら……と思うと、後悔するような名作の数々が、まだまだ続きます。
こちらはカラヴァッジョによる「メデューサの首」です。


ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ 1597-1598年頃
メデューサはギリシャ神話に登場する人物で、元々は神殿に仕える美しい乙女でしたが、理不尽にも神により蛇にされ、目が合った者を石に変えてしまう怪物にされてしまいました。
メデューサを殺したのは英雄ペルセウスですが、その姿を直接見ることはできないため、盾に映した像を頼りに首を切り落とします。この作品は、その瞬間を描いたものです。
現地で見ると立体感が本当にすごく、横から蛇が飛び出していないか思わず確認してしまいました(笑)


恐るべし画力です。
少しグロテスクな絵が続きます。こちらの「ホロフェルネスの首を斬るユディト」は、旧約聖書外典「ユディト記」に基づく場面を描いた作品です。


アルテミジア・ジェンティレスキ 1620年頃
首を斬っている女性がユディトで、斬られているのが、彼女の住む街を滅ぼそうとした将軍ホロフェルネス。女2人で押さえつけ、首を斬るその様子は、なかなか生々しく描かれています。
また首です。今度は「ゴリアテの首を持つダヴィデ」で、旧約聖書の物語を題材にした作品です。


グイド・レーニ 1605年頃
少年ダヴィデが、巨人ゴリアテを投石だけで倒すという有名なエピソードが描かれています。
中性的な美しさを持つ少年の姿と、毛むくじゃらの巨大な首との対比が強烈で、思わず目を引かれる一枚です。
そしてラストスパート
ここで再びカラヴァッジョに戻ります。こちらの「バッカス」は酒の神を描いた作品です。


ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ 1596年頃
とはいえ、この絵は、そのバッカスに扮した現実の人間を描いているとも言われています。頬を赤くして、少し色っぽい表情で「お酒、どう? 一緒に飲まない?」と誘ってくるような雰囲気に見えるんですよね。そもそも服も半分脱げてしまっていますし、なんだか良いムードなんじゃないか……と思ってしまいます(笑)
思わず「光り輝く赤ちゃん!!」と思ってしまったこちらは、「幼子イエスの礼拝」です。


ヘラルト・ファン・ホントホルスト 1619-1620年頃
優しい表情で幼子を見守る人々の雰囲気がとてもよく、穏やかで素敵な一枚ですよね。
この後は、カナレットによる作品が多く並び、ウフィツィ美術館の展示もいよいよ終了です。


ここで自分でも、ちょっと捻くれているのかな?と思ってしまうのですが、多くのディズニーマニアの間で、レストランの名前になっているからという理由で、カナレットがヴェネツィアを代表する画家のトップとして持ち上げられているのが、どうにも腑に落ちませんでした。
もちろん美しい風景画だとは思うのですが、どこか深みを感じないと言いますか……(偉そうに言うw) なので、ここはささっと見て終わりにすることに。
とはいえ、先ほどまで首を斬られる絵など、なかなかインパクトの強い作品を続けて見てきた後のお口直しとしては、最適だったのかもしれません!



つづく…

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