【フィレンツェ】メディチ家礼拝堂を巡る|豪華絢爛な大公礼拝堂とミケランジェロの未完の彫刻

この記事は…

実体験であることを保証します!

連載「10日間で巡るイタリア〜ヴェネツィア・フィレンツェ・ローマ」の記事です。(33/33)

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はじめに

fukuhomu
「サン・ジョバンニ洗礼堂」から歩いてすぐの場所にある「メディチ家礼拝堂(Cappelle Medicee)」へと行きます。フィレンツェを支配していたメディチ家の壮大なお墓です。
目次

メディチ家礼拝堂へ

聖堂を増築して作られた礼拝堂

「メディチ家礼拝堂(Cappelle Medicee)」は、もともとこの場所にあったフィレンツェの教会「サン・ロレンツォ聖堂(Basilica di San Lorenzo)」を増築する形で造られています。

現在ではメディチ家礼拝堂の方が有名で、外観もサン・ロレンツォ聖堂は比較的地味な印象です。そのため、規模も大きく見えるメディチ家礼拝堂の方が主の施設のように感じられ、どちらが本体なのか分からなくなってしまいます。

なお、サン・ロレンツォ聖堂とメディチ家礼拝堂は、チケットも見学の入場口も完全に別になっています。間違えやすいので注意が必要です。今回は事前予約なしでも見学することができました。

地下みたいな入り口

入り口から中に入ると、実際には地下ではないものの、地下のような空間が広がっています。

メディチ家礼拝堂の地下墓所/クリプタ

ここは「地下墓所/クリプタ(Cripta)」と呼ばれる場所で、その名の通り実際のお墓が並んでいます。

本来の礼拝堂の入り口は、どうやらここではなかったのではないかと感じました。現在は明るく照らされていますが、造られた当時は、もっと薄暗い空間だったのではないかと思います。

床には、このように誰が埋葬されているのかが記されています。

メディチ家礼拝堂の地下墓所/クリプタ

誤って踏まないようにバリアが設けられていますが、これはおそらく後世になってから追加されたものなのでしょう。

地下墓所の中には展示ケースがあり、さまざまな品が展示されています。

メディチ家礼拝堂の地下墓所/クリプタの聖遺物容器

これらは「聖遺物容器(reliquiarium/レリクアリウム)」と呼ばれるもので、聖人の髪や歯、衣服の断片などの聖遺物を保管するための容器です。

中に収められているのはメディチ家の人々の遺骨ではなく、聖人たちの遺物です。これらもまた、メディチ家が収集し、所有していたコレクションの一部になります。

礼拝堂の中へ、圧巻のドーム

見上げる荘厳な「大公礼拝堂」

地下の静かな空間から見学は始まりますが、その上の階に広がっているのが「大公礼拝堂」です。金や大理石、宝石で彩られた、まさに豪華絢爛な空間で、思わず声が出てしまいました。

メディチ家礼拝堂の大公礼拝堂

ドームの天井には、これまた美しいフレスコ画が描かれています。

メディチ家礼拝堂のドームの天井のフレスコ画

ドームの中心部分は天窓(オクルス)になっており、自然光が差し込む構造です。絵そのものがなくとも、光によって神の存在を感じさせる演出になっていると言えます。

その光の周囲に配されているのは、旧約聖書の預言者たちです。さらにその外側には8枚の絵が描かれており、旧約聖書と新約聖書、それぞれから主要な場面が選ばれています。

この写真の向きで分かりやすいものを挙げると、

メディチ家礼拝堂のドームの天井のフレスコ画

一番左の木が描かれた絵は「アダムとエヴァの原罪」、その右は人類初の殺人とされる「カインとアベル」です。さらにその右が「ノアの犠牲」。大洪水の後、ノアが主に献げものをし、主が洪水を2度と起こさないと約束した際の印として虹が現れた場面で、絵の中にも虹が描かれています。

そして、その右が分かりやすい「キリストの生誕」、その隣が「キリストの磔刑」です。

メディチ家礼拝堂のドームの天井のフレスコ画
TIKIKITI AI
ここまで来たらあとの3つ…?「キリストの再臨」「最後の審判」「楽園追放」ピヨ

周囲1つ1つに墓が

8角形の礼拝堂の周囲は、それぞれが墓所になっています。ただし、ここに並んでいるのは象徴的なモニュメントで、実際の埋葬場所ではありません。

こちらは、フェルディナンド1世・デ・メディチ(第3代トスカーナ大公)の墓所です。

メディチ家礼拝堂のフェルディナンド1世・デ・メディチの墓所

堂々とした像が据えられ、足元には棺(遺体は入っていない)が置かれています。

メディチ家礼拝堂のフェルディナンド1世・デ・メディチの墓所
石の棺

一方、こちらはコジモ1世・デ・メディチの墓所ですが、像は制作されないまま未完成となり、現在は空きスペースのまま残されています。

メディチ家礼拝堂のコジモ1世・デ・メディチの墓所

新聖具室へ

ミケランジェロが手がけた空間

聖具室は本来、ミサの準備を行ったり、祭服や聖具を保管したりするための部屋ですが、こちらの聖具室はメディチ家の墓所も兼ねています。この部屋を手掛けたのはミケランジェロです。

彫刻に囲まれて…

部屋の両側には墓が配置され、その上にはミケランジェロによる彫刻が据えられています。こちらはジュリアーノ・デ・メディチの墓で、棺の上には「昼(Il Giorno)」と「夜(La Notte)」と名付けられた像が鎮座しています。

メディチ家礼拝堂の聖具室の彫刻
昼と夜

昼と夜という正反対の概念を、男性像を「昼」、女性像を「夜」になぞらえて表現している点が特徴的です。

その向かいには、ロレンツォ・デ・メディチの墓があり、こちらには「曙(Aurora)」と「黄昏(Crepuscolo)」の像が置かれています。

メディチ家礼拝堂の聖具室の彫刻
曙と黄昏

4体の像はいずれも、どこか苦しそうな体勢や表情をしているのが印象的です。この4体に囲まれることで、人間が生きていく上で決して逃れることのできない「時間」の存在を、強く意識させられます。

そして、新聖具室の正面中央には聖母マリアが、その左右にはメディチ家の守護聖人である聖コスマスと聖ダミアヌスが配置されています。中央の聖母マリア像はミケランジェロの作品です。

メディチ家礼拝堂の聖具室の彫刻
守護聖人と聖母マリア

よく見ると、足の部分はまだほとんど彫られておらず、つま先に至っては完全に未完成の状態です。彫刻が未完成のまま残されているということ自体、(たとえ意図的だとしても)想像もしていなかったので、とても驚きました。

fukuhomu
この後はランチを食べに「トラットリア・イ・ドゥエ・ジェー(Trattoria I Due G)」へ向かいます。食べるぞビステッカ!

つづく…

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最後まで読んでくれてありがとう✨
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